🧭 はじめに

私は61歳。アルミ加工を中心に製造業を営む経営者です。
仕事柄、社員や取引先の生活を守る立場として、情報の真偽を見極める力を日々問われます。

そんな私のもとにも、SNSやメールを通じて


スマホひとつで誰でもできる”という謳い文句は、忙しい現代人の心を掴みやすい。

今回は、これまで多くの失敗と挑戦を経てきた私が、3問副業”の実態を掘り下げ

なぜ多くの人が騙されてしまうのかを、ビジネスの視点から解説します。

💡 「3問副業」とはどんなものか

広告ではよく、次のようなコピーが並びます。

  • 「3問答えるだけで日給3万円!」
  • 「アンケートで簡単収入」
  • 「スマホ1台で副業が完結」

一見、アンケートモニター系の案件のように見えます。


企業のマーケティング調査として成り立っているもので、そんな“3問で1万円”なんて話は、現実的ではありません。

⚙️ 仕組みを見れば詐欺の構造がわかる

経営者として、私は「利益の構造」を最初に見ます。
どんなビジネスにも収益源があります。

では、「3問答えるだけで1万円もらえる」という仕組みの“お金の出どころ”はどこにあるのか。

多くのケースでは、以下のような構造が見られます。

1️⃣ SNS広告やLINE登録で「アンケートに答えるだけ」と宣伝
2️⃣ 回答後に「本人確認料」「認証費用」として先払いを要求
3️⃣ 「報酬を受け取るには有料プラン登録が必要」と案内
4️⃣ 支払い後、音信不通・ブロック・サイト閉鎖

最初の“3問”はあくまで“信用させるためのフック”にすぎません。

💣 私が感じた“詐欺ビジネス”の共通点

私は過去、副業に関して多くの失敗を経験しました。
高額商材を購入して結果が出なかったり、コンサルを受けても中身が薄かったり。


そんな経験を経て分かったことは

① 希少性で焦らせる

「残り5名」「今だけ登録無料」「本日終了」
これらの言葉で冷静な判断を奪います。

人は“限定”と聞くと価値を感じるようにできています。
しかし、これはマーケティング心理学で最も使われる誘導テクニックのひとつです。

② 無料で安心させ、後から有料化

「登録無料」と書かれていても、その後に「本人認証料」や「受け取り手数料」が登場する。
つまり、最初から“払わせる導線”が設計されているのです。

③ 実績を偽装して信用を作る

「主婦が月収30万円」「高校生でも日給5万円」など
実際には存在しない“成功者の体験談”を広告に使います。

これも、実際の製造業で例えるなら

“性能テストをしていない製品を完成品として売るようなもの”。

📊 本物のアンケートモニターとの違い

“3問副業”が詐欺に近い構造である一方

信頼できる企業は

  • 会社概要(住所・代表者名)を明記
  • 登録・利用は完全無料
  • 報酬はポイント制で、現金やギフト券に交換可能
  • 調査内容が具体的(製品やサービスの評価など)

といった特徴があります。

代表的なのは「マクロミル」「infoQ」「リサーチパネル」など。


これらはマーケティングリサーチを事業としており
参加者にはきちんと報酬が支払われます。

💬 なぜ人は「簡単に稼げる」に惹かれるのか

私が若い社員を見ていて感じるのは、
「手っ取り早く結果を出したい」という焦りを持つ人が増えているということです。


機械加工でも、いきなり完璧な精度は出せません。
試作を繰り返し、データを取り、改善を積み重ねる。
副業も全く同じです。

「3問で稼げる」という言葉は、まるで“測定も設計もなしで製品を完成させる”ような話。

🧱 私が社員にも伝えていること

私の会社では、若い社員が副業を始めることもあります。
そんな時、必ず伝えるのはこの3つです。

1️⃣ 「稼ぐ前に、仕組みを理解しろ」
2️⃣ 「無料でも“情報を差し出す”時点でリスクはある」
3️⃣ 「続けられない副業は、結果的にマイナスになる」

副業とは、短距離走ではなくマラソンのようなもの。


走り出す前に靴を選び、ペースを整え、完走を目指す。
焦って“最短コース”を探すと、かえって道に迷います。

✅ まとめ

  • 「3問で稼げる副業」はほぼ詐欺構造
  • 手数料・認証料・有料プラン誘導に注意
  • 安全なアンケートモニターは、会社情報・実績・報酬体系が明確
  • “簡単さ”より“継続できる仕組み”を選ぶことが大切

🔧 おわりに

経営をしていると、派手な話より“続く仕組み”の方が価値があると痛感します。
副業もまったく同じです。


「3問答えるだけ」という言葉の裏には

もし今、あなたが副業を考えているなら――
どうか焦らず、“長く続けられる仕組み”を選んでください。

執筆:下町ロケッターマサ

「失敗の数だけ、見る目は磨かれる。
だから私は、これからも挑戦をやめない。」

おすすめの記事