
また副業広告が目に止まった
私は1964年生まれ、製造業で代表取締役を務める61歳です。
45名の社員と共にアルミ加工の会社を運営しながら、日々奮闘しています。
そんな私が最近気になったのが
「スマホ1台・顔出し不要・初心者でも月収50万円」と宣伝されている
『ライブチャットアカデミー(講師:宮川みか)』 という副業講座。
経営者として、そして副業で何度も失敗してきた者として
このビジネスの“裏側の構造”を冷静に見てみようと思いました。
宮川みかとは?ライブ配信業界で名を上げた人物
講師の 宮川みか さんは、元ライブ配信者として成功し
現在は「ライバー育成スクール」を運営する立場にあります。
彼女が関わってきた事業には
- 累計売上2億円超のライブ関連代理事業
- 在宅ワーク・主婦層向けの支援活動
などが含まれており、表面的には信頼感があります。
一方で、口コミを辿ると「サポートが薄い」「返金対応が曖昧」「成果が出にくい」
といった声も確認されました。
つまり、実績はあるが万能ではない、そんな印象を持ちました。
ライブチャットアカデミーの全体像
この講座は「ライブ配信を通じて投げ銭で収益を得る仕組み」を教えるスクールです。
宣伝されている主な特徴は次の通りです。
✅ 顔出し不要でも配信可能
✅ スマホ1台で在宅からスタートできる
✅ 年齢・経験不問で誰でも参加できる
✅ 月収5〜50万円を目指せる
一見ハードルが低く感じますが
実際の収益化までのプロセスは想像以上に実働型です。
🧩配信で収益が発生する仕組み
経営者の立場から見ると、ビジネスは「どこでお金が動くか」を理解することが重要です。
ライブチャットアカデミーの場合、以下の流れで収益が発生します。
▶① 配信を開始
講座で紹介されるアプリ(例:Pococha、ふわっちなど)で配信を始めます。
スマホ1台でできるといっても、照明・マイク・ネット回線などは整える必要があります。
▶② 視聴者との会話でファンを作る
ライブ配信では「人間味」や「安心感」が最も大切。
単に話すだけでなく、コメントへのリアクション・笑顔・トークの間など
“人を惹きつける力” が収益の土台になります。
▶③ ギフト(投げ銭)が収益源
視聴者が課金して送る「ギフト」が報酬の中心。
1,000円のギフトがあれば、配信者に約400〜600円ほどが入ります。
このため
- 視聴者の数
- ファンの固定率
- 継続配信の頻度
がそのまま売上を左右します。
▶④ 継続と固定ファンの育成が命
単発で稼げても、ファンが離れれば収益はゼロ。
毎回の会話・配信時間の維持・コメント返しの丁寧さが積み重なって
ようやく安定収入になります。
💰経営者視点で見る費用・時間・リスク
副業とはいえ「投資」には変わりありません。
以下の表に、私が経営者として見た主要ポイントをまとめます。
📊 コスト・時間・リスクの実態
| 項目 | 内容 | 規模感・注意点 |
|---|---|---|
| 講座費用 | 約17万円〜20万円前後 | 高額な初期投資 |
| 機材・環境 | スマホ・照明・マイクなど | 数万円追加 |
| 時間投資 | 毎日1〜3時間の配信が理想 | 継続が必須 |
| 成果変動 | ファン数・ギフト額に依存 | 個人差が極めて大きい |
つまり、「スマホ1台で稼げる」は正確ではないのです。
初期費用と労力をかけて、ようやく軌道に乗せる形になります。
⚠️注意すべき4つのポイント

経営者として冷静に分析したうえで、特に気になったリスクは以下の4点です。
🔻1. 誇大広告に近いキャッチコピー
「誰でも50万円」は誤解を生みやすい表現。
実際にそこまで到達する人はごく一部でしょう。
🔻2. 労働依存型の副業
このモデルは「仕組みで稼ぐ」よりも「自分の労働で稼ぐ」タイプ。
自動化も委託化も難しく、継続できる体力が鍵になります。
🔻3. サポート・運営体制の曖昧さ
口コミでは「返信が遅い」「個別相談が形だけ」という声も。
契約前にサポート内容を細かく確認すべきです。
🔻4. 精神的な疲弊リスク
コメント対応や空白時間のストレスも無視できません。
特に“ファン離れ”があると精神的打撃も大きいです。
🧠経営者が考える「安全な取り組み方」
私はこれまで副業や投資で失敗してきました。
だからこそ、以下のようなステップでリスクを最小化します。
✅ ステップ1:仕組みを理解してから参加
「どのアプリで」「どんな視聴者層に」「どう収益化するのか」を明確に。
✅ ステップ2:自己資金の範囲内で挑戦
借金・クレカ分割で始めるのは論外。損失許容額を決めておく。
✅ ステップ3:収益よりスキルを目的に
ライブ配信を「話す力・発信力・心理理解力を磨く練習場」として使う。
✅ ステップ4:稼げた分を次の副業に投資
収益をそのまま“再投資”し、サイト運営や情報発信へ展開。
✅ ステップ5:撤退ラインを決める
3ヶ月・6ヶ月単位で成果を測り、結果が出なければ切り替える。
「ラクな副業」は存在しない
ライブチャットアカデミーは確かに在宅・スマホ完結で始めやすい副業です。
しかし、労働密度が高く、継続力と人間的魅力が必要な実働型ビジネスです。
経営者の立場から見れば
これは「手軽」ではなく「時間を売る型の事業」。
つまり、“副業”というより“もうひとつの仕事”です。
経営者として、そして一人の挑戦者として

私はこれまで、借金・離婚・失敗を何度も経験しました。
それでも前を向いていられるのは
失敗のたびに「構造を理解しよう」と努めてきたからです。
宮川みかさんの講座が気になるなら
「どんな構造でお金が動いているのか」をまず理解すること。
そこを押さえれば、たとえ稼げなかったとしても
“学びとしての価値” は確実に残ります。
派手さに惑わされず、冷静に、地に足をつけて。
副業の世界でも“モノづくり精神”を忘れずに挑んでいきたいと思います。
✏️ 執筆:下町ロケッターマサ
「失敗を知る経営者だからこそ、リスクと構造を見抜く。
副業もまた、“小さな現場改善”の積み重ねだ。」