🔧 下町の経営者として思うこと

どうも、下町ロケッターマサです。


1964年生まれ、アルミ加工の町工場を経営しています。
社員と派遣を合わせて45人ほど、日々汗を流しながら現場で奮闘中。

そんな私ですが、正直に言えば「副業詐欺」の経験者でもあります。
投資系の話に手を出して借金を抱え、私生活では離婚も経験。
それでも諦めきれず、何度も立ち上がってきました。

最近また耳にするようになったのが

長年経営をしていると、においで分かるんです。
これはまた、危ない香りがするなと。


🪨 「硯投資」って何?なぜ今、注目されているのか

SNSを開けば「誰でも簡単に利益が出る」「35万円が10倍に!」


そんな投稿が流れてきます。
内容をよく読むと、こう書かれているんです。

「文化財級の硯を購入するだけで、後日高値で転売できる」
「富裕層が買い占めており、今がチャンス!」
「転売ルート完備。初心者でも丸投げOK!」

一見、すごく魅力的に聞こえます。
“文化財”“芸術品”“資産価値”という言葉が安心感を与えるんです。

しかし、調べてみると現実は違います。


オークションや骨董市で出回っている硯の相場は


たまに希少なものでも、せいぜい十数万円。


🕵️‍♂️ 松本悠里という人物と勧誘の流れ

この話の発端には、多くの場合
「松本悠里」という名前が登場します。

SNSでフォローされ、DMが届き
「あなたの人生を変える副業があります」と誘われる。


LINEグループに入ると、そこには「成功者の声」が並んでいます。

「たった1か月で70万円の利益が出ました!」
「OLの私でも簡単に稼げました!」

そんな投稿を見れば、信じたくもなりますよね。
でも、そこが仕掛けです。

「今だけ限定」「残り3名」と煽られ

35万円前後の硯を購入させられる。

そして、いざ転売しようとすると——
「ルートが整うまで少しお待ちください」
「今はタイミングが悪い」


⚙️ なぜ「硯」が選ばれたのか?心理の罠を読む

私は経営者として長年商売をしてきましたが
この話にはマーケティング的な“仕掛け”があると感じます。

硯というのは「高級感」「伝統」「日本文化」の象徴。
つまり、信頼や格式を演出しやすいんです。

さらに

  • 市場価格が曖昧で、価値の比較が難しい
  • 専門的な知識がないと「本物か偽物か」分からない
  • “投資”ではなく“美術品”という言い方で規制を避けやすい

こうした特徴を利用して


🧨 私が過去にハマった「同じ構造」

10年前、私も似たような話に手を出しました。


「AIが自動で投資判断をする」「1日で配当が出る」と聞いて
当時の私は心を動かされました。

結果はどうなったか?

——元本ゼロ、返金もなし。

  • 高額な初期費用
  • 「初心者でも丸投げOK」という誘い
  • 「特別枠」「限定3名」という煽り
  • そして“根拠のない成功談”

結局、仕組みを説明できない副業は、どれも似たような結末を迎えるのです。


📉 被害者の声が続々と

実際にネットを調べると、被害報告が複数あります。

「松本悠里という人から35万円で硯を買いましたが、転売できません」
「グループ内で“成功報告”が流れていたけど、全員サクラでした」
「販売会社の住所が存在していませんでした」


最初から転売先が存在していないケースも多く
購入した時点で“利益ゼロ確定”という構造です。


🧭 経営者の立場から見た「安全な副業の条件」

長年ビジネスをやってきた者として
副業や投資を選ぶ際にチェックしてほしいポイントがあります。

自分で仕組みを説明できるか?
 →「どうやって稼ぐのか」を自分の言葉で話せない副業は危険。

初期費用が高すぎないか?
 →30万円以上の“入会金型”は要注意。収益の源が会員費になっている場合が多い。

販売者・運営元が明確か?
 →住所・法人名・電話番号が確認できないならやめましょう。

時間をかけて成長できるか?
 →“すぐに儲かる”をウリにするものは短命。長く続くものほど地味です。


🧘‍♂️ 61歳になって思う、「焦らない勇気」

若いころは、「一発逆転」「短期間で成果」という言葉に弱かった。
でも、今ならわかります。

「失敗してもやり直せる」——そう思える人は
次の一手を冷静に選べるんです。

硯投資のような話が出てきたときこそ
一度深呼吸して、考えてほしい。

この話、もし本当なら、なぜ自分にだけ教えてくれるのか?」


🔚 伝統を装った“金の幻想”に注意

硯は確かに美しい工芸品です。


しかし、それを投資商品に変えてしまう時点で
本来の価値は失われます。

“伝統 × お金”という甘い響きに惑わされず

副業とは、本来「安心して続けられる努力」の積み重ね。
地道でも、確実に残るのは知識と経験だけです。

「人生に即戦力の近道はない。けれど、学び続ける人が最後に勝つ。」

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