数々の失敗を経て、それでも諦めなかった理由
こんにちは。
私は1964年生まれ、61歳で製造業の会社を経営しています。
社員と派遣を合わせて45名ほどの中小企業で、アルミ加工を中心に日々奮闘しています。
若い頃から「挑戦」という言葉が好きで、仕事も副業もあれこれ手を出してきました。
その一方で、投資詐欺に遭って借金を抱えたり、家庭が壊れたこともありました。
それでも「失敗を糧にできる人間でありたい」と思い、今も情報を調べ続けています。
今回取り上げるのは、「マスターピース(MASTER PIECE)」という投資副業と
それを広めている人物・西森康二について。
ネット上では
「AI自動投資」「毎日入金」「日利40%」など
にわかに信じがたい宣伝が飛び交っています。
私は経営者としての経験から
「事業構造を見れば、その本質が見える」と考えています。
本記事では、そうした実務的な視点から、この案件の裏側を徹底的に見ていきます。
マスターピースとは?「AI投資」を装った新型副業ビジネス

マスターピース(MASTER PIECE)は
ネット広告やLINE誘導を中心に拡散されている
「自動収益型の投資プログラム」です。
宣伝文句には次のような特徴があります。
- 「AIが投資判断を自動化」
- 「毎日報酬が振り込まれる」
- 「スマホ1台で誰でも簡単」
- 「100円からスタート可能」
- 「年間無敗」「日利46%超」
まるで“夢の投資システム”のような印象を受けます。
しかし、こうした甘いフレーズの裏には、きちんと確認しておくべき構造的な仕掛けが存在します。
巧妙に設計された「心理誘導型ビジネス」
実際にマスターピースに登録したという報告を追っていくと
その仕組みは以下のようなステップで進みます。
- 広告またはSNSでLINE登録を促す
「期間限定」「初期費用ゼロ」といった緊急性を煽る訴求が多い。 - LINEで自動配信される解説動画を見る
「第1話〜第3話」など段階的な教育型構成。ここで“実績者の声”や“感謝メッセージ”が登場する。 - 無料登録のあと“特別コミュニティ”への案内
「プライド」「秘密クラブ」などの名前で、グループLINEやチャットルームに誘導される。 - 小額投資→追加課金の流れ
最初は“お試し”の名目で少額入金を促し、次に「保証料」「管理費」「アップグレード費用」などの名目で高額請求が発生。
この流れは、典型的な「段階課金型ビジネスモデル」です。
最初に“無料”や“少額”を提示し、心理的ハードルを下げてから本丸の課金へ進める
──古くからある構造ですが、今も巧妙に使われています。
表向きは「投資」だが、実態はギャンブル要素が強い
マスターピースが扱う投資ジャンルについて、公式ページでは明確な説明がありません。
しかし、複数の体験談や検証記事によると
競馬・ブックメーカー・バカラなどのギャンブル要素をAI運用と称している
ケースが確認されています。
「投資」と「ギャンブル」は、表面上は似て見えても中身は全く異なります。
投資はデータ・戦略・資金管理が前提ですがギャンブルは“勝率”を根拠にした偶発的収益です。
それを「AIが判断するから安心」と言い換えるのは
あくまで信頼性を演出する手法にすぎません。
実際、マスターピースの公式説明には
投資ライセンス・金融庁登録・運用会社情報といった法的裏付けが一切確認できませんでした。
西森康二という人物の正体──広告塔か、それとも実在の運営者か?

マスターピースの宣伝では「西森康二氏」という人物が登場します。
彼は「投資家」「トレーダー」として紹介され、動画やセミナー風の演出で信頼感を出しています。
しかし調査の結果、この人物が実在の投資家かどうかを示す客観的証拠は存在しません。
SNS上では次のような報告が見られます。
- 「画像や話し方が以前の別商材の人物と似ている」
- 「実際の経歴・金融資格などが一切不明」
- 「架空人物または広告用キャラクターの可能性が高い」
つまり、「西森康二」という名義は、実在を演出するための“ブランド要素”として利用されている可能性があります。
収益モデルの核心:運営側が利益を得る構造
マスターピースのような副業・投資案件では、
どこでお金が動いているのか」を見れば本質が分かります。
この案件では、以下のような構造が考えられます。
| ステップ | 内容 | 運営者の収益源 |
|---|---|---|
| 広告出稿 | SNS広告・動画配信 | 登録者リスト獲得 |
| 無料登録 | メール・LINE誘導 | 見込み客収集 |
| 有料プラン | 有料講座・サロン加入 | 参加費収益 |
| 継続課金 | 管理料・保証料・更新料 | 定常収益 |
| 他案件紹介 | 提携商材・仮想通貨誘導 | アフィリエイト報酬 |
利用者が“投資で稼ぐ”よりも
運営者が“人を集めて稼ぐ”仕組みになっていると見るべきでしょう。
特に、「LINE登録→教育動画→有料コミュニティ」という三段階構造は
詐欺的副業の常套パターンです。
私が感じた危険信号
経営者として多くの人と取引してきた経験から
マスターピースにはいくつかの“赤信号”が見えてきます。
- 高すぎる利回り(非現実的な数字)
年利400%など、金融の常識ではあり得ない水準。 - 具体的な運用根拠がない
AI投資といいながら、実際のアルゴリズムや投資対象は公開されない。 - 特商法表記の不備または曖昧さ
責任者や所在地が不明瞭、もしくはレンタルオフィス。 - 口コミの不自然さ
“稼げました!”という投稿が同じ文体・タイミングで複数見られる。 - 返金保証の条件が不透明
“保証あり”を掲げながら、実際には適用条件が厳しく事実上不可能。
これらが揃うとき、私は迷わず「距離を置く」選択をします。
61歳社長としての結論:「夢」より「現実」を見るべき
副業や投資の世界には、確かにチャンスもあります。
しかし、これまで数十年にわたり経営をしてきて痛感するのは
「再現性のないビジネスは続かない」ということです。
マスターピースは、夢を語る構成が非常に上手です。
ですが、その裏には“情報の非対称性”
──つまり、「運営者だけが勝ち続ける構造」が隠れていると感じます。
自分の大切な資金を預ける前に、事業モデルが説明できるかを確認してみてください。
それができない案件は、どんなに評判が良くても「やめておくべき」です。
同じ失敗を繰り返さないために

私自身、過去に多くの副業や投資で痛い目を見てきました。
しかし、その失敗があったからこそ「冷静に判断する目」を持てるようになったと思います。
マスターピース/西森康二の案件は
仕組みを見れば「投資」ではなく「集客型課金ビジネス」に近い構造です。
焦らず、現実的な方法で副業を始めるほうが、よほど確実に前に進めます。
私はこれからも、同じように悩む人に向けて
リアルな情報を発信していきたいと思っています。
どうか、あなたの挑戦が正しい方向に進みますように。